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がむしゃらな努力はムダ。目標までの距離を意識する

ケン
ケン
広告代理店営業マン、兼、プロコーチのケンです。

いきなりですが、どんな目標であっても、達成するために欠かせないことがあります。なんだかわかりますか?

・緻密な目標設定?
・諦めない強い心?
・誘惑に負けない実行力?

どれもあるに越したことがないものですが、答えは違います。

正解は、どれだけ進歩したのかモニタリングをすること

つまり、目標達成に向けて、ただがむしゃらに努力するのではなく、日々、どれだけ進歩したのかを確認する必要がある

目標との距離を確認する

どんな人でもやる気が冷めてしまう場面があります。

それは、「どれだけ自分がうまくやれているかわからない」とき

この状態だとモチベーションの維持が難しいのが問題。

加えて、行動を見直すことができないので、不安になります。

やる気を持続させる、適切な努力をするためにはフィードバックが欠かせないのです。

これは、人間の脳からして自然なこと。

脳は無意識のうちに「今の自分の状態」と「自分が望む、好ましい状態」を比べています。

つまり、脳は適切な比較を無意識に求めているのです。

出来るだけ多くのフィードバックを得ることが大事

目標までの距離が把握できないなら、今の自分とのギャップを意識することはできません。

その結果「やる気が出ない」「集中できない」と言った状況になってしまう。

どれだけ、今の自分と理想の自分が違うのか。その距離を把握しなければなりません。

どれだけ離れているかがわからなければ、何も始まらないのです。

目標に向かって行動をするときには、できるだけ多くフィードバックを得ることが大切です。

フィードバックによって、向上しているか(あるいは、していないのか)がはっきりするからです。

そのためには、他人からフィードバックを受けるか自分自身で進捗状況をモニタリングする必要があります。

フィードバックの頻度は柔軟に

フィードバックの頻度は目標設定の期間によります。

長期的な目標であれば、フィードバックの頻度も長めにとって問題ない。

短期的な目標の場合は、頻繁にフィードバックを受けられるように設定して、自分が目標に正しく向かっているかを確かめる必要がある。

目標達成までの期間が短いということは「エラーは命取り」になりかねないということを意味するからです。

習熟度でフィードバックの頻度を調節する

フィードバックの頻度を決めるにあたって、もう一つ考慮すべきは「習熟度はどれくらいか」ということ。

つまり、スキルの上達具合によっても、適切なフィードバックの頻度が変わるということです。

初心者はあまり頻繁にチェックすべきではない。

未熟な人が新しいことに挑戦するときに、あまりに頻繁にチェックすると、混乱を招き、かえって上達の邪魔となってしまう。

ある程度、コツを掴むまでは、頻繁にフィードバックを受けることはやめておいた方が良いのです。

フィードバックの有無が差を生む

フィードバックは目標達成への大きな後押しとなるのですが、多くの人はほとんど活用していません。

理由として真っ先に思い浮かぶのは2つ。

1.面倒だから

2.自分の未熟さに向き合いたくないから

実際自分の努力が正しい方向を向いているのか、それとも間違った方向を向いているのかを、いちいち立ち止まって確認するのは大変で面倒です。

また、フィードバックは常にあなたを満足させてくれた、得意な気持ちにさせてくれるわけではありません。

ときには「あまりに進捗が遅い」という現実に向き合う必要も出てきます。

解決策は「if-thenプランニング」の活用

フィードバックを楽に活用するコツがあります。

それは「if-then」プランニングを活用すること。if-thenプランニングについては下記に記事からご確認ください。

フィードバックは諸刃の剣

フィードバックに関する大事な話があります。

それは正しいフィードバックはモチベーションを高めてくれるが、誤ったフィードバックはモチベーションを削いでしまいかねないということ。

つまり、フィードバックは”諸刃の剣”です。

目標に対する2つの対象的な視点

ある心理学の実験。

目標に対するときには、対象的な視点があります。

「これまでの思考(to-date thinking)」と「これから思考(to-go thinking)」

「これまで思考」とは、「どこまでやり遂げたのか」に視点を向ける思考スタイルです。つまり、「これまで進んだ距離に目を向けると言い換えることができる。

「これから思考」とは「あとどれだけやらなければいけないのか」に視点を向ける思考スタイルです。つまり「目標までの距離に目を向けること」と言い換えられます。

「これまで思考」と「これから思考」この2つは誰でも、行ったり来たりしている。

例)マラソン選手

「これまで何キロ走ってきたか」
「これからどれだけ走らなければいけないのか」を考える

例)5キロダイエットをしたい人

「これまで2キロ痩せた」という成果と
「これから3キロ痩せないといけない」という残りの目標を交互に考えている。

これまで思考が強いのは危険

「これまで思考」も「これから思考」も同じように大切な考え方に感じられます。

ただ、ここで注意が必要。それは「これまで思考」が強くなるとモチベーションが下がる危険性があるということ。

「目標に対して自分はこれだけ進捗したのだ」ということに目を向けると達成感を得ることができます。すると、早い段階で達成感を持てるが、結果、早く気が緩んでしまう。

やり遂げると他の目標に目がいく

これまで思考とこれから思考に関する研究。

大事な試験を控えた大学生を2つのグループに分ける

グループ1

「覚えなければいけないことがあと52%残っている」

グループ2

「すでに48%は覚えた」

と伝えた。結果はどうなったでしょうか?

グループ1のモチベーションはグループ2よりも格段に上がった。

こうなってしまう理由は「早すぎる達成感」以外にも、もう一つ考えられる。

それは「これまで思考」でやり遂げたことを考えると、ついつい他の目標に目がいってしまうという理由です。

つまり、「これまで思考」が強くなると「やりかけの目標ばかりがたくさんあって、どれひとつとして達成されたものがない」という事態になりかねないのです。

反対に「これから思考」を重視して、目標までの距離を測るとモチベーションは維持される。

さらには「これからやるべきこと」を意識することでモチベーションを高めることもできます。

あまり早くから、小さな達成を喜ばない方が良いです。